レスポンシブル・カンパニー

パタゴニアの創業者であるシュイナード氏が著者です。僕は、パタゴニア大好き人間なので、読む前からバイアスがかかっていましたが、わたしたちの経済活動が及ぼす、環境への負荷について思いを馳せ、今から手にとる(購入する)商品について、ちょっとだけ…

本は10冊同時に読め!

最近、2〜3冊くらいは平行して読んでも問題ないんじゃないか、と思っていたら「10冊同時に読め」というタイトルだったので、思わず手に取りました。本代はケチらない、その本から何を得るか問題意識を持って読む、最後まで読まなくてもよいから1つでもその…

あなたはこの人生で「お金」を選びますか、それとも「生きがい」を求めますか?

著者の大塚寿さんは「40代を後悔しない50のリスト」などを書かれた方だそうです。そちらは読んだことがありませんでしたが、書店で並んでいるのを気にはしていました。そもそも、このタイトルの本を選ぶ自分って、「今の人生お金よりも生きがいが大事だって…

強いリーダーがやるべき88のこと

以前にお仕事をご一緒させて頂いた福原正大さんが本を出しました。福原さんは、とてもクリエイティブでエネルギッシュな方。絶えず何かを創り出そうという情熱と、あらゆる角度から知恵を絞りだす姿勢に、いつも刺激を受けます。本を手にとってみて、読み進…

「スローライフでいこう」と「心を整える」

タイへの旅行中、2冊の本が僕のお供をしてくれました。1冊目は、「スローライフでいこう」。著者エクナット・イーシュワランさんはインドで生まれた方で、50歳近くになって米国に移り、1960年代に米カリフォルニアで瞑想やスローライフを紹介したそうです。…

書評〜やめないよ(カズの日経コラム「サッカー人として」より)

このブログでも、日経に載っているカズのコラムについて書いたことがあります。彼の考え方や生き方は、大変に刺激になるし、前に進む勇気をもらいます。そんなカズのコラムが2006年から2010年まで、一気に読めるなんて素敵ではありませんか。話題は、生き方…

書評〜なぜ組織はイノベーションをつぶすのか?

多くの企業にとって、そして組織にとっても、イノベーションが成長やサービスの向上に不可欠であることは言うまでもないでしょう。しかし、イノベーションを起こすことやクリエイティブであり続けることは、極めて難しいのです。本書は、「わたしたち個人が…

書評〜新たなる資本主義の正体

「新たなる資本主義」と聞くと、たいそうな言葉にひるんでしまいそうですが、実は私たちの身近な存在である年金基金のことを指します。「年金基金は身近な存在ではない」という声も聞こえてきそうです。それもそうですね。民間の社会人や公務員の場合は、所…

書評〜世界が大切にするニッポン工場力

日本のものづくりについては、過去に何回か関連書籍を読んできたが、もっとも最近読んだものがメイド・イン・ジャパンは終わるのか?であった。ざっくりしたおさらいをすると、半導体や携帯端末などではメイド・イン・ジャパンの力が失われたのだが、それは…

書評〜ピーターの法則、創造的無能のすすめ

仕事が認められ、昇進を重ねていくと、どこかで自分の能力の限界に達する。多くの人は、自分の無力さに気付かず、自分のできる範囲のことをやる。あるいは、組織の力学や成功体験に従って行動する。「ピーターの法則」とは、「すべての人は昇進を重ね、おの…

書評〜地価融解

2009年1月に出された日経の編集委員さんによって書かれた本です。「不動産の大きな流れを伝えることで、日本経済の底流での構造変化とその問題点を浮き彫りにしようと試みた」とあるように、戦後の不動産、土地価格、金融の動きをおさらいするのに、十分な情…

書評〜移行期的混乱、経済成長神話の終わり

現在、とりわけリーマン・ショックという金融危機後の今が、時代の移行期にあるのではないか、という視点は、いろいろなところで、いろいろな議論の姿で、見ることができるだろう。本書も、日本で長らく信奉されてきた「経済成長」が今後見込めない時代にな…

感想〜アルケミスト(夢を旅した少年)

先週の旅行中に、小説「アルケミスト〜夢を旅した少年」(パウロ・コエーリョ著)を読んだ。年にそれほどの数の小説を読まない僕が、小説のことを書くのは勇気がいるし、実際に他の作者との違いを述べるほどの知識もないのだが、この本はとてもよかったので…

書評〜人生を豊かに歩むために大切なことどうでもいいこと

いわゆる自己啓発本ですが、他書と違うのは、より本質的な物事のしくみ、現実という動かしがたい事実、自分と自分以外との関連について、焦点をあてている点です。一歩引いて考えながら読むことをおすすめします。著者のバックグラウンドが面白い。フランス…

書評〜社会保障の「不都合な真実」

本書が詳しく述べる社会保障については、子育て、生活保護、年金、介護、医療の各分野です。その名のとおり、社会保障に関連する問題は、社会問題として取り上げられることが多いのですが、本書は経済学からの知見を加えています。国の借金である国債の残高…

感想〜遊ばない社員はいらない

Francfrancの社長、高島さんの本。正確に言うと、Francfrancはお店の名前で、会社はバルスです。題名のとおり、高島さんは遊ぶことに情熱を注ぎ、そこから生活提案のFrancfrancの店造りにつながっていくというお話です。遊びの度合いは敵わないけれど、高島…

「街場のメディア論」を読んで、メディア・リテラシーを上げたいと思った

著者は、フランス現代思想などを専門とする教授。大学での講義をベースに「メディアには何が起きているか」を書いている。メディアによるコンテンツがつまらなくなったのは、いつ頃だっただろうか?今だと、頼りない政治を筆頭に、「これは見たい」というコ…

書評〜インナーパワー、インナーマッスルを体も心も健康になろう!

インナーパワーは著者の造語。インナーマッスルを鍛えることで、体だけでなく心も健康に、そして持てる力が発揮できる、と考え、その力の源をインナーパワーと言うようだ。言葉の定義は主題ではないのだが、運動が苦手な人でも姿勢をよくすればインナーマッ…

書評〜メンタル・コーチング

著者は、スポーツに関連した著作を多く出しているが、本書はメンタル・マネジメントやメンタルのコーチングに焦点をあてている。僕は、以前よりプロのスポーツで起きていること、例えば選手の心理状態、試合への準備、チームへの貢献、チームでのリーダーシ…

書評〜シンクロニシティ、未来をつくるリーダーシップ

リーダーシップに関する本をいろいろ読んできた僕ですが、この本には終始やられました。リーダーシップについて学び、そしてそれを実践するときに、大事なのは「行動」ではなく「あり方」なのだ。この本の解説をするには、僕の経験は未熟すぎるようです。そ…

書評〜これからの思考の教科書

本書は、ロジカル・シンキング(論理的思考法)を分かりやすく説明した後、それと対照的なラテラル・シンキングを説明し、最後に2つを組み合わせたインテグレーティブ・シンキングを紹介するという構成になっています。有名なロジカル・シンキングについては…

書評〜残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

橘玲さんの本は、これがはじめてだと思うが、話の導入として取り上げられる例が豊富で面白い。それに、一読しただけでは「何を言ってくるのだろう?」と思わせるタイトル(本のタイトルだけでなく、章や節でも…)で人を惹きつけ、読み進めるうちにポイントに…

書評〜退散せよ似非(エセ)コンサルタント、タイトルほど過激ではなく実直な経営指南書

船井総研を創業した船井幸雄さんの本。船井さんの本は始めて手に取りました。本書は、船井さんの歴史と知見が詰まった本と言えるようだ。船井さんの経営コンサルタントとしての、そして経営者としての、信念が体験談とともに書かれている。彼の信念はシンプ…

書評〜メイド・イン・ジャパンは終わるのか?

前回に引き続き、日本の製造業について分析した本を読んだ。まず本書では、80年代に羨望の的だった日本企業が、バブル崩壊を経て一転して批判の対象となった理由として、年功制や終身雇用制、ガバナンス制度が企業内部者に寄っていること、系列企業の存在、…

書評〜グローバル製造業の未来、コンサル目線の本ではあるが面白い

この数ヶ月の読書やテレビ鑑賞では、日本の製造業がかつての輝きを捨てて、国際競争の中で生き残りをかけている様子を追ってきた。例えば、インドのタタが発売した20万円台の自動車は、新興国の台頭を際立たせる出来事であったし、トヨタショックでは日本企…

書評〜「課題先進国」日本

2007年9月に出された本。著者の小宮山さんは東大総長を務めたことのある方。日本は、途上国であった時期から、公害などの環境問題に取り組み、先進国の今では環境をはじめとする各分野で優れた技術を持つというのは周知のとおり。環境問題だけでなく、少子化…

書評〜希望を捨てる勇気、停滞と成長の経済学

著者の池田信夫さんは、ふだんから頻繁に、経済学者の言動について彼のブログで解説・指摘をしている。経済学は時代と共に発展したり変わる。そして、複数の異なる見解が並存するから、経済学者の間では論争が起こるのだが、そうした見解の違いなどを分かり…

書評 〜 新興国発超優良企業

偶然だが、最近のブログ記事、タイにおけるグローバル・サプライ・チェーン、中東における新エネルギー開発の主権、台湾の投資力と日本企業の再生、と関係する話である。本書は2008年10月に翻訳された。原著が出てから2年近く経っているので、現状はもっと進…

書評 〜 フリーフォール、グローバル経済はどこまで落ちるのか

フリーフォールとは、2007年以降の金融危機を発端にした経済の急降下を示す様子である。金融危機は、アメリカの住宅バブルの崩壊に端を発したもので、そこに至るまで、市場や金融機関に自由裁量を許した世の中の流れと、政府やFRBなどの規制当局に対して、批…

書評、緑の帝国 〜 世界銀行とグリーン・ネオリベラリズム

少し前に「貧困削減と世界銀行」という書評の中で、「世界銀行と米国の関係について気になる」と書きましたが、それに対する1つの見解が、この「緑の帝国」から得ることができます。ただし、本書は米国について焦点を充てたというより、世界銀行の組織に注目…