あなたはこの人生で「お金」を選びますか、それとも「生きがい」を求めますか?

著者の大塚寿さんは「40代を後悔しない50のリスト」などを書かれた方だそうです。そちらは読んだことがありませんでしたが、書店で並んでいるのを気にはしていました。

そもそも、このタイトルの本を選ぶ自分って、「今の人生お金よりも生きがいが大事だって思っているんじゃないの?」と言われればその通りです。この本の基本的な主張もそうですが、ここでは個人的な現在の心境を推すつもりはありません。この本は、「お金」か「行きがい」かのバランスを考える視点が書かれています。お金か生きがいかの二元論にはせず、とりわけ「お金=悪」的な発想で短絡的に切り捨てていない点は、現実的で安心感がありますね。

結局は自分という一生を通じたライフ・デザインなのだと思います。

著者もその点につき、『どちらにフィット感があるかを認識しておく』ことを薦めています。「お金=組織(または会社勤め)」ではありませんが、安定的にお金が得られる仕組みとしての組織(会社)に属することへの気構えなどにも触れている点は面白かったです。

僕が米系の外資に勤めていたときは、ビジネスが良い方向に向かっていたという時代背景もあって、組織にいながらにして自由もありました。ただし、自由というのは自ら負う責任にコミットした結果得られたもので、ただで手に入るものではありません。

僕たちは何かを提供した結果としてのお金を頂く以上は、生き方の目標が「お金」にあっても「生きがい」にあっても、プロとしての責任やリスクを負う姿勢と結果については、避けられないという視点もあると思います。これは「生きがい」に走ったとしても、「お金」を重視するのと共通の心構えがあるのだとも思えます。

また、よくある議論ですが、「お金=悪」と感じてしまう前に、自分が本当に伝えたい、提供したいものがある限り、その事業を継続するのに相応のお金は頂くことが、それを普及するためには良いという考え方もあります。

これらも二元論にはない視点として、本書に加えてお役に立てればと思いました。

あなたはこの人生で「お金」を選びますか、それとも「生きがい」を求めますか?

あなたはこの人生で「お金」を選びますか、それとも「生きがい」を求めますか?