中国人による日本の不動産投資

今朝のNHKニュースで、中国人が日本の不動産投資に積極的になっている話があった。

以前より聞いていた話ではある。実際、「中国人 不動産投資」と検索してみると、中国国内の不動産投資と並んで、日本の不動産に投資するニュースやそれに関連するビジネスのページがずらっと並んでいる。

足元の状況も追い風になっているようだ。

  1. 中国の不動産が上がりすぎて、例えば上海などと比べて日本に割安な物件が目立つ
  2. 中国国内の不動産規制により、国外の不動産に投資資金が流れている
  3. 中国の株価が以前ほどさえない
  4. 旅行ビザ取得の緩和により、自分の目で確かめやすくなった

今朝のニュースでは、中国人に人気の北海道や箱根などの景勝地が紹介されていたが、中野や横浜のマンションなども投資セミナーでは紹介されていたようである。「良いかどうかは別として、外観だけでキャッシュで買う人もいるのですよ〜」という不動産業者のコメントがとても印象的、というか恐い。

日中の富裕層比較をしたことがないので、今度分析してみたいと思うのだが、中国の富裕層は相当の人数になっているはずである。実際、番組で紹介された数名の投資家は、会社経営者たちであった。そのカテゴリーに属する人の一部が動いても、日本の不動産価格に影響を及ぼすだろう。

不動産においても、世界の資金フローとは無縁ではない。これまで、豪州の人が北海道の土地を買うという動きはあったけれど、隣国の中国の人が日本を投資先として見てくれることは、善し悪しの両面があると思うが、避けることができない現実であり流れというものなのだろう。

投資や開発が誘発されて、良い物件が供給されたり流通することは好ましい。しかし、それが度を越したり投機が増え過ぎると、価格高騰や空室だらけの物件が生まれる可能性がある。心情的な問題も起こるかもしれない。日本人がローン前提で応募した新築マンションが、キャッシュ買いの中国投資家との抽選になって敗れることも、既に起きていそうだ。

だからと言って排他的になるのではなく、現実を受け容れる中で、したたかに生きる術を身につけないといけないと思う。身近に感じられる話ゆえに、こういう話題は学校教育に取り入れた方が良いと思う。グローバルの経済・社会において、起こっていること、起こりうること、を学び、競争に負けない能力や考えを身につけることも大事だろう。異なる価値観を受け容れて、したたかに生きるための、自分ならではの付加価値を考えることも、若いうちからやったほうが良い。




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