ウォートン、マネジメント研修の2日目

昨日に続いて、ウォートン・スクールでのマネジメント研修の話題です。

 ※ ※ ※ ※

ここまでの印象を一言で述べると、意外に「数字による論証が少ない」ということだ。

僕の思考法が少し偏っているのかもしれない。たとえば、僕は学校では統計を専攻し、普段の仕事では数字を扱うことが多い。それに、マネジメントに関する研修というイメージでは、時々読むHBRが数字を論拠にした論文が多いことから、米国本国のマネジメント研修では、数字を使って論理的に進めるのではないか、という先入観を持っていたのだ。

では、どんな内容だったのか。たとえば、リレーション構築の方法や、人材マネジメントなどの「組織論」に関する話題は、心理学を使ったアプローチが多かった。こういう見方をしてみると世界が変わって見えるよ、というような指摘型の内容が多い。

自分のやり方や自分の認識をまずは知り、この研修で紹介された見方との間にどんなギャップがあるかを考えてみたいと思った。その中で、自分が自然に取り入れられるもの、意識してできそうなことを選んでいくことが良いのだろうか。この手の話は、実際に行動に移すことが重要であり、印象が冷めないうちに実践して、成功体験を作っていくことが必要だろう。

マネジメントの話は、必ずしも正解があるわけではないし、マネージャーやチーム、ビジネスの状況によって、何が今必要なのかの順番が違ってくると思う。日頃から、引き出しを多く用意して、使えるときに使っていくというやり方がおそらく一番良いのだろう。


先ほどの例が、「見方を広げてみよう」という内容であったのに対し、マネジメントの研修では、戦略論として様々なツール(手法)が案内される。ツールは、万全でも特効薬でもないものの、複雑な問題を整理するのに役立つ。

大事なのは、そのツールの結果をそのまま使うというメリットよりも、使う過程で考えを深めたり、組織で議論をしていくことで、より多面的な要素を踏まえて意思決定を行うことの方だろう。そういう意味では、会社レベルや経営レベルで使うことだけでなく、チームという小さな組織レベルで使うことの意味も大きいようだ。

つまり、常に大きな意思決定に絡めなくても、チームのマネージャーが集まって、問題意識をあぶりだすために使う、ことに意味がある。これは、早速できることだと思った。


朝から晩まで、講義と議論の連続で、さすがに今日はくたくたになりました。




こちらへも遊びに来て下さい。→金融の10番は日本人に任せろ!