師匠と弟子

数年ぶりに師匠とお会いしてきました。遡ること14年。何も知らずに、証券調査の仕事を駆け出した頃、最初の上司だった人です。

この方、普段は温和なのですが、仕事となると大変厳しい。一つの信念というか、哲学にあたるものがあって、それからはずれると、本質的な議論に常に立ち返ることを求める。

こう書くと難しく聞こえるが、基本に極めて忠実なのだ。技術論に走りすぎたり、結果を急ぐあまりに途中のプロセスを省略すると、何故そうするのかを常に問われた。あらゆる意味で「自ら考える癖とは何か」を教わった。

今日も、当時を懐かしみつつ、本質的な議論を大いに行った。当時は、「その質問は細かいなあ〜」と思ったこともあったけれども、今の自分があるのもこの師匠のおかだとつくづく思った。

果たして、自分が今度そうした師匠の役割を担えるかどうか。加えて、自分がコーチングした人がさらに次の世代に対し、その役割を担えるかどうか、が興味の中心である。責任と言ってもいいだろう。

自分の中には、その方から教わった考え方や哲学というのは今でも脈々と引き継がれている。過去1年くらいを振り返ると、大変な時期もあったが、自分の信念を愚直に貫き、地味でもいいから実行することで、本当に大事にしないといけないものに出会った気がする。周囲に流されるのではなく、自分で考え決断する、ということが自分にとっての価値観だし、それをより多くの人に伝えていきたい。




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