白川郷

始めて白川郷を訪れました。陽射しが強く、気温の高い日でしたが、からっとした風が優しく、ゆったりとした時間を過ごしました。

前日泊った高山から白川郷へは、最近開通した中部縦貫自動車道により約50分、市内から高山インターまではすぐだから、ほぼ高速道路で往来することができます。驚いたのは、その行程のほとんどがトンネル。長さが1〜2キロ・クラスのトンネルが連続していて、中でも圧巻なのが全長11キロの飛騨トンネル。

追い越しなしの片側1車線、最高速度70キロのトンネルなので、相応の時間をトンネルの中で過ごすことに。その間、外の景色が見れないのは残念だけれど、山々が続くところをショートカットしていくから、トンネルと高速道路の有難みは大きい。それにしても、中部縦貫自動車道全体では54ものトンネルがあるらしい。ずいぶんなお金がかかった道路だな〜、と関心したのでした。

白川郷では、高台に展望台があって、そこはとっても観光地の賑やかさなのだけれど、集落全体を鳥瞰しながら、それを囲むようにそびえる山々に圧倒されるという、すばらしい景を堪能することができます。

先にこの景色を見ると、合掌造りと言われる家を間近で見たいという気持ちを抑えられなくなります。

街並みは古い家屋がそのまま維持されているところと、比較的新しいが街の雰囲気を壊さぬように建てられた商店や食堂などが点在し、迷路のようになっている小路を入ったり出たり、家の間にある田んぼや庭先を眺めたり、少し高いところの道をあがっては、屋根を上の方から望んだりと思い思いの時間を過ごすことができます。

不思議なもので、昔自分が住んでいたところは静岡の山のふもとだったりして、それなりの田舎だったのだけれど、当然景色も違えば家の配置も違う。けれども、家の間に走る小路や田んぼの用水路の雰囲気はどことなく似ている気にさせられ、懐かしさを覚えたのでした。

ここだけ見たら「はい次」といった観光の仕方もできるけれど、時間の許す限り散策したりお店をひやかしたりして、ゆっくりと過ごすのがこの地でのお勧め観光だと思いました。

ここで驚かされるのは、普通に生活していらっしゃる方がいるということ。古い建物をそのまま維持しての民宿があるとは聞いたことがあったけど、普通に農作業をしている人たちがいて、その生活、特に冬の生活はどんなに厳しいものだろう、ということです。

街並みや建物を維持することは難しい。昔、住んでいた静岡にも藁葺きの家や倉庫を見かけた記憶があったが、今訪れるとそうした建物の跡はなく、畑もなくなって、すっかり分譲住宅になっていたりする。

維持することで却って観光地化するのも残念だけれど、それが文化を維持することへの対価なのかもしれない。




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