打ち上げ

7月に売却したマンションの売買でお世話になった営業マンを家にお誘いして飲み会をしました。

市況が悪かったこともあり、売買に要した期間は9ヶ月。売り出し価格も逐次下げざるを得ず、不動産屋さんも自分にとっても、なかなか苦しい時期だったが、最後はあっさりと購入者が見つかり、引渡しもスムーズに行われて良かった。

この営業マンさん、某大手不動産会社にお勤めのまだ若手なのだが、とっても人あたりが良くって信頼できる。とは言え、営業の人なので、「もしかすると裏が・・・」なんてことは考えなくもなかったが、質問に対しては全力をあげて調べてくれるし、こちらが悩んでいるときに結論を無理に誘導しようとは一切しない。

こう書くと、なかなかすごい人のようだが、もう少し書くと、この人はちょっと頼りない。その頼りなさは話し方や誘導のなさから来るのだが、懸命に努力をしてくれるものだから、「こっちが客」とかいう立場をすっかり忘れてしまう。「何とか一緒に努力して売りましょう!」と思わず声をかけたくなってしまう感じなのである。

飲み会で話していくと、やはりこの人は素朴で誠実な人だった。人には好みがあるから一般化はできないけれど、それでもお仕事における誠実さというのは大事だよなあ、と思った。これは僕がやってきた仕事でも当てはまる。「ここで何とか数字をあげたい」、と思うところをぐっと抑えて、双方にとって良いことを進める。なかなかできることではありませんが、長期の関係を考えると絶対その方が良いはず。

飲んだ席で僕が思わず「○○さんって不動産屋っぽくないですよね〜」と話したら、逆に「××さん(私のこと)ってファンド・マネージャーっぽくなくてびっくりしました」とすかさず返された。聞けば、ファンド・マネージャーは態度が悪いらしい。きっと僕も営業会議で議題に上がり、「気をつけろよ」とか言われたのだろうな〜と思うと、今だからこそ微笑ましく思えるがちょっとおそろしい・・・。

この職業の人はこの傾向が・・・というのは平均像の話ではあるが、どうやらそのうちの1人が、手付金を放棄することで一度結んだ売買契約を一方的に解除して、より良い契約相手と契約した例が相当印象を悪くしているらしい。「違法ではないし、思いつくあたりはファンド・マネージャーっぽいですよね」とは言ったものの、それを実行してしまうおそろしい人がいるものである。




こちらへも遊びに来て下さい。→金融の10番は日本人に任せろ!