企業内コーチフォーラム2009

「企業内コーチ」という聞き慣れない言葉に関心があって参加。今年で第4回とのこと。JICCCという団体が主催していて、日系の会社を中心に40社ほどが参加している。セミナーは誰でも参加可能。

コーチというとプロ野球のコーチが思い出されるだろう。OBが引退後、コーチに転向することが多いようだが、選手経験のないたたき上げのコーチもたまにいる。お名前なんだっけ?昔千葉マリーンズにいたトレーニング専門のコーチ?

ビジネスでもそういうコーチが存在する。通常は、その会社のOBではなく社外の、コーチを専業としている人たちだ。

コーチング(coaching)と表現すると、「コーチをすること」という行動に焦点をあてた言葉となり、人ではなく手法について述べることになる。「それは何か」を理解することは、極めて重要だと僕は思う。それは、カウンセリングやティーチングと大きく異なる。

では何が異なるか?

コーチングは、コーチが何かの答えを誘導することはしない。答えは、問いを発した本人が既に持っていて、それを気付かせるのがコーチ。相談する人は、言われて行動をするのではないので、動機付けが強くなるし、行動そのものよりも本質的な問題に気付きやすい。自ら問題を発見して解決にあたることから、積極性や主体性を引き出すことができる。これが最大のメリット!

実は僕もコーチに付いているのです。人から言われることとの違いは、自ら経験しました。

すべての人にコーチングは効果的だと思うけれど、とりわけ役職者へのメリットは大きい。役職につくと、上司の数が減るので、言われてやる仕事が必然的に減る。そこへ、社外のコーチが問いかけてくる。例えば「あなたは何を解決したいと思っているのか?」と。大小さまざまだけれど、いちいち上司に話す内容でもないところを話せることがポイント。しかし、社外のコーチは高い。そこで「企業内コーチが活躍か…」とセミナーの案内を見て思ったのです。

ちなみに冒頭の野球コーチとはちょっとイメージが違う。この場合のコーチは「教える人」という意味で浸透しているようだ。コーチにフォームをいじられちゃって活躍できなくなった悲しい選手の話って、1つや2つではありませんよね。


僕が感じた企業内コーチのメリットとデメリット

メリット

  • 予算内でより多くの人にコーチングを受けさせられる。コーチ育成やコーチングを通じて従業員の主体性が育まれる。
  • 会社のゴールに最終的に結び付きやすい。
  • 対話を増やすツールにもなり、コーチする・されるの関係を社内横断的に配置すれば、部署間や階層間の対話を飛躍的に伸ばす。


デメリット

  • 個人のプライバシーには踏み込めないため、ライフとワークのバランスの中で、ライフから来る問題にはタッチしにくい。
  • コーチングの守秘義務と業務の守秘義務の両立が困難(部下が上司をコーチする場合に顕著)

社外コーチのメリットとデメリットはこの逆。なので、どちらが良いかという問題ではなく、どちらが会社や個人の問題により好ましいかという選択になる。

これを含み、いろいろと考えてみたいことがあった時間だった。いつも、資産運用や経済、法律のセミナーにしか参加しなかった僕なので、刺激が多い時間だった。




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