創造的であり続ける

今朝の日経新聞17面の一目均衡では、昨日のブログで書いていたこと:

企業が、そして経済が発展するには「イノベーションが必要」という論には反対はないと思いますが、そのイノベーションは日本からは出ていないのではないか?という指摘が根底にはあるようです。勿論、青色LEDなどの良い例はある。けれども、日本のGDP、ピーク時では年率で566兆円(2008年1-3月期)の経済全体で物事を見るならば、今の多くの大企業や政策がそうした結果を出せていない、ことになります。

に関係することがタイムリーに出ていました。最近のニュースから、トヨタテスラ・モーターズ、そしてソニーとグーグルの提携を取り上げ、「こういう取り組みが新しい商品やサービスにつながる可能性」とある。

トヨタプリウスで時代を創り、一見すると創造的なのですが、ホンダに価格で対抗され、さらに急速に伸びる需要に品質管理がおいつかなくて、信用を失ったという見方がされています。そして、今後の成長戦略は、ハイブリッドに限定されるのではなく、電気自動車まで含む可能性が高いから、テスラとの提携はとても良い戦略なのでしょう。

余談ですが、車好きの私にとって、最近の車は一般に個性が失われていって、とても寂しい限りです。価格競争が厳しく、部品メーカーも集約化が進んでいくと、各社からは似たような車が生産されていく。自動車がコモディティ化されていく過程を見ている訳ですね。団塊の世代以上だと「いつかはクラウン」とか、団塊ジュニア以上だと「スポーツカーに乗りたい」という夢や欲を満たす車がなくなっているのでしょう。所有する車で出世が分かる時代は終っている訳です。さらに品質は格段に上がっているから、買い換えサイクルは伸び、車に対する需要は欲と現実の両面から落ちていく。

さて、トヨタソニーも日本を代表するブランド企業ですが、あくまでも個別企業の話です。実際には成果がより多くの企業で、また多様な形で、イノベーションが行われるべきで、これは容易なことではありません。皆と同じが尊いとされる日本の文化と教育の問題も関連するでしょう。出る杭が疎まれる日本の会社文化の問題もありそうです。

日経の記事では、金融の役割も問われています。僕が所属していた資産運用会社は、米国西海岸を本拠地として、世界中からクリエイティブな人たちが集まって、日々新しいものを創り出してやろう、という文化がありました。かなりの数のアイデアは没になるのですが、そういう文化が新しいものを産み出すのだと思っています。




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