これならできる〜インターンシップの企画

六本木のアカデミーヒルズに行くと、最近インターンシップ研修にでくわす。内容は残念ながら、外からはうかがえないが、2日間のセミナーはおそらく参加型だろう。隣の会場から拍手が頻繁に聞こえることから、グループ毎にプレゼンテーションが行われているようである。

僕が勤めていた資産運用会社では、即戦力採用を基本としていたため滅多に新卒者は採らなかったのだが、定期的にPhD取得者を海外から呼んだり、ごく稀に部署ごとの試みとして、インターンを募集したり新卒者を若干名採ったりしていた。

資産運用の仕事は多くの部署が絡み合う複雑なもので、数週間のプログラムでは全体を見てもらうことは難しい。また運用戦略に関する仕事は機密事項で、学校で学ぶ内容と実務との間にはかなりのギャップも存在するから、プログラムを企画するとなるとかなり大変だろう。

かといって一部の仕事だけを切り出すと、アルバイトでもできるつまらない内容になってしまう。かくして、インターンシップは興味はあったけれど、なかなか実現できないものの1つになった。

しかし、会場を社外に移して、しかも数日間の研修方式にするというのは思いつかなかった。これだと、参加型の研修にして、一部のプログラムでは資産運用の仕事や社会的な意義について学んでもらい、その後にでも答えの出ないような問題について議論してもらうという構成ができそうだ。学生と社員との間で議論を交わすなどの方法を繰り返せば、双方にとって刺激的な時間になるだろう。

昔は優秀な学生が生損保や信託銀行の資産運用部門に配属され、その人たちの一部がいずれ外資系に流れてくるという業界をあげての人材育成プログラム(?)があったのだが、今ではその上流の人材供給源が枯渇気味だから、外資系の運用会社が若手を採用するのは大変になってしまった。しかも、運用という仕事は、会社や個人によって相当やり方が違うから、自分の会社やチームに溶け込める人を探すのは、さらに難しい作業となる。

インターンシップでできることには限りもあるだろう。しかし、金融機関の中でもなかなか個人に触れる機会の少ない資産運用会社の中身について知ってもらうことは業界にとっても良いことだ。





こちらへも遊びに来て下さい。→金融の10番は日本人に任せろ!