書評というより感想です〜「悪文」を読んで

悪文 第3版

悪文 第3版

1960年に初版、僕が読んだ第3版は1979年に出ている多くの人に読まれている本。「悪文」とは「出来の悪い文」のことで、意味が伝わらなかったり、読む人を混乱させたりすることを言う。

基本的とも言える注意点が、かずかずの悪文を参考に述べられているから、内容を理解することは容易だろう。問題は、僕らが書いていくときに、それを身につけていられるか、である。

僕は、会社で文章を書いたり、ブログで書いたりする経験が長いから、さら〜っと書いただけで自己満足に陥り、そのまま文章を確定してしまう。でも、後で読み直すと意味が分かりにくいということが多いから、この本から学ぶ点は多かった。

悪文にならない文章を書くにはどうしたらよいか?やはり文章を一晩寝かすか、少し時間を置くことで、読み手の立場になって文章を冷静に見つめるという姿勢と作業が大事なのだと思う。

この本「悪文」。文字通りの悪文が並んでいるから、この本を読むときは相当疲れる。頭がよく動いているときに読むか、悪文の意味を無理に理解しようとはせずに著者の意図を汲む、という読み方をおすすめする。

また、こうした文章法に触れて感じるのは、英語の論理的な構文の良さだ。英語は、主語と述語がはっきりするだけでなく、接続詞の用途が比較的はっきりしている。とはいえ、並列の"and"と逆説の"but"は、その本来の意味に反して気軽に使ってしまう結果、外国人には意味が通じないということが起きるのだが、そういう点を注意して英語を使っていくと、日本語で文章を書くときにも意識ができると僕は思う。

また、可能であれば、一度自分の文章をプロの人に見てもらうことも良いと思う。僕はこれまで一度だけ、本の執筆に関わったことがあって、そのときに編集者さんに自分の文章を校正して頂いたのだが、文章を短く区切る位置や、凝った表現に頼るのではなくって分かりやすい表現にするなど、たくさんの点を学ぶことができた。

校正済みの真っ赤な原稿と向きあうのは、勇気と忍耐が必要だったが、今でも定期的にそのような経験をしたいものだと思う。




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