マネー・ボール

今日は会社を休んで最近の忙しさから自分をリセットするためにドライブ・・・、のはずが台風が東京に近づいているので中止。家で仕事をしたり、本を読んだり、とまったり無計画に過ごす。家の窓からは、都立公園の森が見えるが、木が大きく揺れている。テレビは台風の様子を伝えているし、で僕も一向に落ち着く様子がない。

そんな中、先日読み終えた『マネー・ボールマイケル・ルイス著、中山宥訳を平積みの上にそっと置く。この本は、メジャーリーグオークランド・アスレチックスについて書いた本。野球選手に焦点が当たるよりも、その経営の方法、例えば、選手の評価の方法についていかに当チームがユニークなのか、が触れられている。当然、野球チームの経営にはお金がかかる。となると、選手の技量を、従来の常識ではない尺度・統計を用いて評価することが重要であり、アスレチックスはそれを実際に行ってきた球団であるとのこと。

僕は、専攻が統計学で、思考も根っからの統計屋なのでとても楽しく読んだ。まあ、統計を別に考えるとしても、このチームのマネージャーがいかにユニークで、しかし目的に向かった考えを追究してきたが分かる。何しろ、犠打や盗塁は評価をしない、高卒ルーキーは取らない、という考えな訳だから。

僕のチーム(資産運用)でも、程度は別にして、ユニークと思われるような政策がいろいろある。例えば、午前中のチーム内会議は持たない、調査・研究の仕事は一発で当てようとしない、短期と長期の仕事を両立するための工夫、野球で言うところのポジションを意識して仕事のスキルを付ける、など。この本からも、いろんな工夫や試行錯誤が行われていることが分かる。どんな世界でも、同じようなことが行われているのだと勇気付けられる。

ユニークなやり方は、時に周囲の反感を買ったり、理解が得られなかったりする。こういうときは少し辛い気持ちになるが、中途半端は最もいけないことも分かっているので、そこは愚直にまっすぐ進まなければならない、と再度心に刻みこむ。。。しかし、結果を出すということはどんな世界でも大変なことだ。

別の話題になるが、アメリカの国立公園などにある自然を解説する説明方法は、やたら科学的だったりするなあ、という印象を持っている。この本もそういう意味では科学的。こうした思考はアメリカでは好まれるのだろうか?

マネー・ボール (RHブックス・プラス)

マネー・ボール (RHブックス・プラス)




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