関心を広げる 〜 会議で質問しよう

今年から、会社の経営会議に出ています。会社の経営ですから、いろいろな話題があがります。僕は1つの商品を見ているので、自分の攻撃・守備範囲は決まっていますが、経営会議ではありとあらゆる話題について話します。

今年の前半は、僕の商品部門で緊急かつ重要な課題があがり、現場を急に立て直す必要が生じました。僕は、その課題に全力で取り組むあまり、経営会議では全社レベルの話まで、神経を向けることができませんでした。

また、今となっては不適切な行動だったと気付いたこともあります。僕は3年前まで、会社の企画系の仕事をしていて、あまりにも多くの課題に絡んでいました。そのときの苦い思い出がどこかに残り、全社レベルのいろいろな件に、積極的になることができなかったのです。

以前は、理想を語って、現実を変えんがために、途方もない企画を立てては奔走していたのでしょう。理想と現実が離れすぎていたゆえ、苦労が大きかったのだと思います。当時の仕事は、最終的に上手くいったのですが、企画をしながら自分でも動き、そして周囲を動かすような仕事も多かったので、体がボロボロになりました。

そんな状態を見かねたのでしょう。先日、上司から、「経営会議でもっと、声を上げてくれないか!」と頼まれました。目が覚めました。自分の担当部門はかなりの収益を上げていたので、そっちに懸かりきりになるのも仕方がないと言っていた上司も、バランスを求めてきたのです。僕も「これではいけない」と反射的に思いました。

経営会議と言っても、それほど緊張するような雰囲気ではなかったのですが、最初は無理に質問した気もします。「声を上げる」と言っても、自分の専門外のところで”たいそうな意見”を述べる必要はありません。それよりも、シンプルな質問をすることの方が効果的なのです。一般に、「上手い質問」というのは、相手のことや相手のビジネスのことが解っていないとできないので、簡単にはできません。しかし、自分が自らの部門で経験したことや、知っていることから、「そっちはどうなの?」というシンプルな質問をすることですら、効果的だったりするのです。1度コツをつかんだ後は、質問が自然に出てくるようになりました。

もしかすると、当初は「質問しよう」と必死に会議に挑んだことで、今までやりすごしてきた情報から得ることが増え、質問の思考が養われたのかもしれません。企画をしていた頃の感覚がよみがえったのかもしれません。

僕は話を振ったり、少し違った見方をたずねる質問が好きなので、その質問スタイルが会議に刺激を与えることができたら、より良いのにと思います。極端な例ですが、誰かがある話題について話し始め、その話のポイントをつかむと、相手の考えとは少し違った見方や角度の質問を探していることすらあります。

それでも、会議の質問というのは簡単ではないですよね。最初は、むしろ難しいと思うかもしれない。質問ができるほどの、土地勘がいつできるのかも分かりません。でも、会議は漫然と出ては駄目で、「何か質問しよう」「意見を言おう」といった積極性が重要です。結果として質問ができなくても、次回以降に必ずつながります!

こうして関心を広げることで、持ち場の仕事の方も、余裕がでてきたように思います。先回りをしたり、自分で調べたり、といった行動が取れるようになりました。




こちらへも遊びに来て下さい。→金融の10番は日本人に任せろ!