プレゼンテーションで大事な本質

今日は、社内の勉強会で講師をやらせてもらいました。楽しい時間でした。アドリブから意外な発見もありました。

プレゼンのコツは、いろいろあるようです。僕は、前の会社から、社内外の研修会を受け持つことが多く、また学生のときのアルバイトも、人前で話す仕事だったので、場数を踏ませて頂きました。

今日は、プレゼンのコツ(テクニック)を述べるのではなく、プレゼンにおける本質的なポイントについて話したいと思います。このことは、社内外を問わず、また聴衆の規模を問わず、共通するポイントだと思っています。

それは、「聞いている人の表情を見る」ということです。しかも、特定の人ばかりに目を配らせるのではなく、聴衆全体を万遍なく見渡すことです。


当たり前なのですが、これを徹底する方法を幾つか挙げてみます。

例えば、物理的に自分から遠くにいる人たちについては、自分が場所を移動します。部屋によっては、横長だったり、縦長だったりします。横長のケースでは、左右の人に目が行き届かないので、自分から積極的に左右に動きます。ワイヤレスマイクは必須ですね。ちなみに、こうすることで、聴衆の方は講師を追いますから眠気防止にもつながります(苦笑)。

眠気防止の意味では、部屋が縦長で横のスペースが十分ではなくても、左右に動くといいでしょう。そして、出来る限り、左右の人に目を配ります。前列と後列では視線が相当異なりますから、意識して行います。後列の人を見ることを忘れないようにしましょう。

大きな会場では、1人ずつ顔を見ていくのは難しいですが、小さな会場や小グループへのプレゼンでは、1人1人に語りかけるように話をしていきます。当然、視線はそれぞれの人を向くし、会場によっては首が左右に振らないといけないので、結構疲れます。

目的は、聴衆の表情から出るメッセージを探ることです。同時に、こうすることで、聴衆の人たちの間で、ある種の一体感を育むことができると思います。なぜなら、もし講師の目線が一定の人たちに偏ると、目を合わせてもらえない人は疎外感を感じることさえあると思うからです。


場の雰囲気を和ますような話の入り方とか、笑いを誘うようなジョークは大事でしょう。しかし、それらはテクニックに過ぎないと思うのです。本題に入ってからも、いろいろなテクニックがプレゼンにはありますが、折角の努力を活かすかどうかは「講師の目線にある」と思うのです。

人の表情は、素直にその人の感情や思いというのが表れてくる、と僕は思います。今、興味のある話題なのか、理解しているか、具体的な例が必要なのか、などを探ることができます。そうしたリアルタイムの情報を得ることで、自分の説明を変えたり、省略したり、という機転が働いてきます。またそういうスキルも、場数とともに養われていきます。

繰り返しになりますが、これは少人数での会議でも言えることです。会議では、多くの場合、資料があってそれに集中しがちですよね。そこで、万遍なく参加者の様子を見て、理解力を推し量り、話を前に向けるかそれとも補足すべきか、を考えて進めます。少人数による場を有機的なものにしていくことも大事です。参加者それぞれの知識や関心のレベルを計り、全員が参加できるような話の進め方をする。会議のファシリテーターのスキルなのかもしれませんね。




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