外から見られることと中から見ること

今日は微妙な話題かもしれない。でも誤解を恐れずに書いてみようと思う。

お客様からの指摘は絶対か?例えば、「御社はこういうことはできないの?」とか「おたくの説明は分からない」とか言われた場合・・・。

こういう場合はちょっと立ち止まる必要がある。何故お客さんはそう思ったのか?この立ち止まりは、何らかのリアクションを行う前に必ず必要。何故か?そこには、自分たちが信じている商品というのがあり、説明の仕方というのがある。後者はとくに資産運用ビジネスに言えることで、もしかすると他のビジネスでは疑問の余地はないかもしれないけれど・・・。

闇雲に全ての意見を受け入れたらどうなるか?それは、採算性の悪いビジネスを生むことにもなり、結果として全体のサービスが低下する場合もある。ポイントは、頂いた意見に対し、自分たちがそれに応えられるものかそうでないのか。誰しも、目先の商売は欲しいし、ビジネスが厳しくなるとそういう傾向になる。しかし、その結果としてサービスの質が落ちてしまっては元も子もない。ビジネスの判断の中で最も難しいものの一つです。

客観的に判断して、自分たちができることであれば、お客様の声として、どんどん取り入れるべきである。そしてそれは、日頃から他社との差別化や、自分たちが信じる価値観や希少性というものを意識できているかどうかで、判断の基準ができる。外からの意見は大変貴重だし、喜んで受けるもの。しかし、それをどう解釈してどう応えていくかは一歩立ち止まってよい。信頼関係の強いお客さんに対しては、「今回は応えられません」と言う勇気も必要。

一方、今日はこんな話題もあった。ある人が360度評価を受けたときのこと。やはりありがたいコメントを頂いたようだ。しかし行動を起こす前に立ち止まって、とアドバイスした。こういう質問にどう答えられるだろうか?「何故、こういうふうに言われたのだろう」、「それに対して自分が応えられるかどうか」、「応えるとしたら、どうやったらもっとも自分らしく、あるいは自分の専門性を通して相手に還元できるだろう」。外からの指摘は大変ありがたい。しかし、誰がどういう場面で言ったものなのか、見極めるか、しっかり想像することが重要。その上で、自分という器や存在を通して、どういうやり方ができるか、どういう貢献ができるか、を考えるべきだと思う。

いずれの事例も、高いレベルでの「思考力」が要求される。人から言われました、なのでやりました、では合格点はもらえるかもしれないけれど、次に自分で考えて行動するための力を養うことにはならない。

普段からの準備も、場数を踏むことも、必要だ。そして、いずれの場合も、高いレベルでの判断が要求される。もしかしたら、お客さんからのメッセージを見落としてしまうかもしれない、他の人のアドバイスを無駄にしてしまうかもしれない。常に不安と背中合わせだ。

なので、普段から、自分を客観的に見つめることがとても大事。自分たちには何ができるか、何が自分たちの持ち味か、他には負けないものは何か、などなど。

自分のことは、実は自分が一番知らないのかもしれない。なので、外から見られる、言われることはとっても重要。一方で、自分をしっかり持って、受けるものと受けられないものの境界を微妙なところで綱引きする。とっても大変だけれども、上手くできた場合は一回り大きくなっていると思います。

僕は自分自身がその不安との狭間で闘っているし、そういう悩みを持っている人を精一杯応援したい。人って必ず弱いところや不安があるはずなので、それを打ち明けてこそ、もっと強くなれるのだと思っているから。




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