ないものから探ること 〜 質問術

今日は、今後お取引をするかもしれない会社との会議。

僕たちの会社がサービスを受ける、すなわち顧客にあたるケース。一般のビジネスでは、扱う情報は非対称だ。つまり、この場合は、サービスを提供する側に偏っているから、どうやって情報を引き出すかに苦慮する。当然、相手は、他の会社との競争でもあるので、そうしたことを隠したり別な表現に包んだりして接してくる。

一緒に同行した僕の同僚は、前職でそのサービスを提供する側にいた。担当していた業務は違うけれど、「だいたいここんなメンタリティで来るから気をつけないといけない」と質問を浴びせる。

彼のすごいところは、「こう質問したら、こういう言及がなかったから良くない」とか、「時間があるはずなのに何もやってないのはおかしい」とか、「こういうポジションの人ならこういう意見が出てこないと、サービスに本腰が入っているとは言えない」などと、「ない」ものから「当たり」をつけて、そこを突いていく。

僕は、どちらかといえば、「こういうコメントがあった」を積み上げていく「ある」ものから「当たり」をつけていく経験しかなかった。「ない」ものから探るのは、ネガティブ思考に映るけれど、ビジネスの世界でそんなことを気にしていたらいけない。会話のゴールは「見極める」ことであり、しかも限られた時間でやらなくてはいけない。僕は、その同僚と、この手の取引先ツアーを行う度に、このことを学ぶ。

こう考えると、自分たちが今度逆の立場に立ったときに、考えさせられるものがある。ビジネスでは、時に言い訳をしたり、隠したり、ということを行う。経験を積むほど、上手くなっていく。

しかし、その説明がその場で通用したように思えても、実際は逃げた部分から探られていくことを覚悟しておかなければならない。



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