人間の関係

五木寛之さんの本です。他にもいろいろ有名な本があるけれど、僕はこの本が始めてだった。最近出版された本で、新聞広告で気になっていた。

どんなところに関心を持ったかと言うと、鬱とか憂いとか、そういう言葉があったからだ。僕は、難聴になったときに、心の病のような、感覚に陥ったことがある。そのときは、無意識な部分でバランスをくずしていたようだが、それ以来、こうした話題を医学的とか社会学的な角度ではない視点で見るとどうなのだろう、と思っていた。

著者は自分の父親と同年代で、ゆえにまだ僕が経験していない、あるいは考えが至ってないところを、淡々としかし力強く主張していく。表現にあたっては言葉が慎重に紹介され、言葉の重みというのを改めて実感させられる。これは近くまた紹介したいが、今読んでいる別の本では、「伝えたいと思うことと伝わることとは違う」そうだ。ますます言葉を選ぶこと、表現することの大きさを知る。

このブログのテーマ「仕事」に関する話題に1つだけ触れると、「人脈」というテーマがあった。「人脈」という言葉の定義が今ひとつ曖昧で、それに昨今では人脈を作るために会合に参加したり、という活動があるけれど、そういう人脈から具体的に何か仕事に活かすことはできますか?という問いかけがあった。

「自分自身が、考えて、具体的に行動するにあたって、影響を及ぼす人たちはどんな関係の人ですか?」

著者は、影響を及ぼす人たちを意識することの方が、いわうる「人脈」よりも大切にすべき関係の人たちでは?と言う。

これ以上書くと、読む楽しさを奪ってしまいそうなので、続きは書かないけれど、とてもまっとうな意見であった。




こちらへも遊びに来て下さい。→金融の10番は日本人に任せろ!