書評〜おとなの小論文教室

『おとなの小論文教室』(山田ズーニー著)は、「ほぼ日刊イトイ新聞」の大人気コラムをまとめたものだそうだ。「ほぼ日」とは、糸井重里さんが主宰するネット新聞で、僕は先日始めて訪れてみたが、なかなか面白そうだ。今度ゆっくり探検してみよう。

本書のタイトルに「小論文教室」とあるが、実は小論文に限定したものではない。「考える力」や「表現する力を養う」という、もっと根幹の問題意識を高めるような内容が展開されている。

どういうことかというと、本書では文章のテクニックについては書いてなくって、物事の取り組み方や考え方について触れている。普段の自分の考え方や好みと照らし合わせて読み進めたのだが、そうした作業自体が実に面白かった。

「あ〜そうそう」と共感できるところもたくさんあれば、「ん〜どういう意味なんだろう」と、はてなマークで終わるところも幾つかある。それらを含め、何度か読んで自分の考えを振り返るのがお勧めの読み方だと思った。

このブログは、誰かに何かを伝えたいということよりは、自己満足でいい、と思って進めているけれど、もっと言うと、自分自身に何かを伝えたい、自分と向き合って考えをまとめたい、そしてそれを表現して残したい、という気持ちからスタートしている。

僕の場合も「ほぼ毎日」で続けているが、そのときの気持ちの微妙な変化や、環境の変化によって、話題も変われば考えていることも変わることがある。そうした変わっていく周囲や自分について、しっかりと見つめて「考えに変えていく作業」は、続けることで人の成長に役立つのだと思う。

おとなの小論文教室。 (河出文庫)

おとなの小論文教室。 (河出文庫)




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