雑談力

今日4日は仕事始め。まだ休んでいる人も多かったためか、幾らかリラックスした雰囲気でスタート。しかし、マーケットの方は、日経の夕刊が使った言葉の通り、「波乱の幕開け」だった。その見出しも気になったのだが、「ヘビメタ症候群」の方がもっと気になった。「ヘビー・メタボ」の略だそうだ。

今日は、チームの人をランチに誘った。僕の仕事も、今日はかなり余裕がある。ビジネスランチは、チーム外の人と取ることが多いので、普段ゆっくり話すことのできない人を誘ってみた。

年初から仕事の話ばかりをランチでするのも気がひけたので、年末年始のお話を中心に雑談を展開しようと思った。しかし、なかなか話がはずみまない。なぜだろう??

僕が話を振ってもなかなか話が展開しない。キャッチボールに例えると、僕がボールをパシっと投げ、パシっとボールが帰って来るのだが、それをもう1度パシっと投げ返すと終わってしまう。あれ、次のボールはないの??

前にも似たようなことを感じたことがあった。もしかすると僕の話題がつまらないのかもしれないけれど、他の人とは話題が展開するので、そうでもなさそうだ。このことから思ったのは、雑談をするスキル「雑談力」は、無視することのできないビジネス・スキルだということだ。

よく言われていることに、営業担当者は雑談で場を和ませ本題に入るとか、プレゼンターが雑談で笑いをとってから本題に入るとか、があるが、そういう形式的な話をしたいのではない。

先の雑談がはずまない人は、とても賢い人で、技術的な話をさせたら本当に頼りになる人だ。最近は、営業支援もこなしている。つまり、その人のIQとは関係がなさそうだ。

物足りないと思うものは何だろうか、と考えてみた。きっと「他人への興味を持つこと」と「それを話術の中で表現していく力」だと思った。聞き上手は、仕事上手とも言われる。ただし、聞き上手とは、うなずき上手だけではない。もう1歩踏み込める何かがある。

仕事上手な人は、質問上手だったりする。相手に話してもらうことで、相手の関心を探ることができる。そこまで戦略的・意図的でなくても、相手と自分の距離を縮めることができる。この人はどういう話題が好きなのだろうか、どういう考えを持っているのだろうとか、どういう距離感で話題を展開するのが良いのだろうとか、雑談の中でもいろいろ試行錯誤し、距離の縮め方を探っていけるのだと思う。

もしかすると、雑談が苦手な人は、話すことが苦手ではなくって、距離感を定めるのが苦手な人なのかもしれない。仕事の話は幾らでもできる。でもそれ以外の話って、どこまで立ち入ったら良いかが読めないし、判断できない。


KYというのが話題になっているが、これは別のKY(=距離感が読めない)かもしれない。距離を縮める方法に、正解もコツもない。でも、そもそも人と人のコミュニケーションって、そういうことを見出すことではないだろうか。

人の反応を知るのはこわいと思う場合もある。出しゃばりすぎたらどうだろうか、とか自分の話をしすぎていないか、とか、相手のことを聞きすぎていないか、とか。しかし、こういうことを通じて、相手の距離感を測るのだと思う。中には、全く距離が分からない人もいる。しかし、勇気を出して越えてみないと分からないことも多いはずだ。

もっとも、雑談にもいろいろなジャンルがある。僕は、テレビでこういうのをやっていた、とか芸能人がどうのこうのとか、はあまり興味がない。また、社内外を問わず、人の噂話は苦手である。だからどうなの、と思ってしまう。第一、家にテレビもないので、話題についていけない。

しかし、これはこれで問題なのだろう。相手の関心のあることに関心を持たないと、距離は縮まらないからだ。スポーツ新聞でも取ろうかなあ。




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