自分へのコーチング 〜 まず出来ることは何か?

自分で自分をコーチすることは、孤独ではあるが、難しくはない。

普段の仕事から例を拾ってみよう。今日は、いろんな人と話したり、今後のビジネス戦略に関する会議に参加した。そこでいろいろな考えを見つけては、自分のアクションプランに落とし込むということをやっていた。こう表現すると普通の仕事の仕方と何ら変わらない。

その過程では、「こういうことをやっておかなければ・・・」といった、仕事についての自問自答がふっと沸いたり、「こういう動き方もできると良いのに・・・」といった、行動パターンについての考えがうかんだり、「こういうスキルがまだ十分ではない・・・」といった、ビジネス能力についての改善策に気付いたり、していた。

つまり、自分の状況を認識した上で、「こうなりたい」「こうありたい」状態とのギャップを意識することが重要なのだ。こういう行動を促すのは、コーチングに他ならない。一般に、コーチは、自分以外の人物で、「今の現状(問題)を変えるために、どうしたいのか」「そのために何から行動するか」と言った問いを投げてきては、自分が答える過程において、解決法や行動策を具体化していく。

自分へのコーチというのは、一連の作業を自分で行う、自問自答することに他ならない。

ちなみに、僕の場合は、最初の問いかけは、ふっと思いついたり気付いたりすることが多い。じっと考えても、何が問題かはすぐに見つからないものだ。

しかし、最初は考える時間を設けると良いだろう。自分のやっていることに問題があるか、何故そうなのか、何故やるのか、他に良い方法はないのか、などといった思考をし続けることは、将来何らかの問題に気付かないといけないときに、役立つはずである。

その問いかけを自らに投げて、「次はこうしよう」「こういう準備を始めよう」「時間配分を変えてこういうやり方をしよう」というアクション・プランにできるだけ速く変えていく。時に自分で考え、時に人に相談する。一度プランに落ちれば、あとは足を前に進める勇気が必要なだけだ。

コーチを雇うのにはお金もかかるし、契約するとその期間では、継続的に問いを見つけることになるから、結構大変だ。最初のうちは、コーチが問いを見つける工夫をしてくれるだろうが、徐々に難しい問題をクリアしていくほど、相談者自らが持つ悩み事や潜在意識の部分から、問いを掘り出すことが必要になってくる。このことは、簡単なようでなかなか難しい。

自分で、必要なときに必要な範囲で、問いを見つけることができれば、安上がりだし、仕事にスピード感が出せる。

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仕事には「こういうやり方がいいよ」という話題はたくさんあるが、「こうでなくては・・・」というのはないはずだ。なので、最後は自分で、自分に最も合うやり方を取捨選択していけばよい。やり方だけでなく、行動、考え方、スキル・・・、どれも最後は自分で選択していくものだ。

思えば、これまでの10年近くは、そういうことを無意識に行って、前に進んでいた。責任が大きくなってきても、そうした努力は変えることはないし、努力を絶やさないようにしなければならない。

恵まれているのは、周囲の環境だ。こうしたことを、共に考えていく仲間、上司、部下に恵まれている。自分は、その環境で刺激を得ながら、力をつけることができる。良くも悪くも、ビジネス上の課題が常にあり、そのハードルが高いことが、さらに挑戦的な環境を作る。

これらすべてを有難いと思って、前に進む努力をしよう。一般論では、会社の方向が見えない、上司が忙しすぎて話ができない、責任が増えるに従ってコーチングをする人が減った、といった問題があるときに、どう行動するのが良いだろうか?不平・不満を口に出す前に、自分でできるベストをやっていくべきだ。そして、それが次の力となって、前に進むことができる。




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