自己実現の意味

自己実現という言葉を仕事の世界ではよく使う。なんのために仕事をするのか、という問いの答えに使われることが多いからだ。

仕事と自己実現が結びつくと、思わぬ力が出る。そして、その力をバネにして、仕事をこなし、新しい仕事を作り、または新しい仕事を得て、そしてより大きな仕事へと結びつけていく。うまくいけば、プラスのスパイラルで事が進む。もちろん、道は平坦ではない。しかし、それを越えたときに、新しい道が拓ける。

僕個人の意見だが、若いうちに一度は無理を経験したほうが良いと思う。もちろん、人に強制すべきものではない。しかし、若いうちに、絶対的な量で仕事をこなしたり、知識をたくわえないと、その仕事の本質は分からないし、粘り強さも身に付かないと思うのだ。

ただし、いくら楽しいと思えてやれる仕事であっても、体に負担はかけるし、結果として病気にもなり得る。病気によっては治らないものもある。再発の恐怖とも隣合わせだ。このことは、忘れないでおきたい。

若いうちは無理が効くし、実際に無理をするとしても、「自分の体と対話する」ことは覚えた方が良い。これは、人に薦めたい。病気の種類によっては、取り返しが付かない場合だってあるだろう。

勇気をもって休むことも、ペースを調整することも重要なのだ。自己実現のゴールは、自分が満足するだけではないということを、意識することが良いと思う。自己実現の結果は、長期にわたって評価され、享受されるべきだと思う。たとえば、周囲の人が、自分の提供するサービスやパフォーマンスを、長期にわたって有難いと思うことが大事ではないだろうか。

短期や単発のパフォーマンスで終わらないためにも、付加価値を一層高めておく必要がある。多くのビジネス書や企業の事例が教えてくれるように、自分という「個人」を経営する場合においても、長時間労働などの「時間」で解決できる問題は、いずれ他の手段によって取って替えられ、価値が落ちていく。分かりやすく言えば、より若い人が安い給料で引き受けるかもしれない…。

僕のこれまでの仕事人生の中でも、今が勝負、というときには長時間労働もしたし、仕事をつなぎとめるためだけに仕事をしたこともある。周囲から見たら、それは単に無理な仕事と映ったかもしれない。しかし、常に出口を意識し、そこから出て次のステージに向かう計画を持っておくようにはしていた。

話は戻るが、ちょっとうまくいったからと言って、そのやり方を続けること、その地位にとどまることは決してよい結果をもたらさないと思う。付加価値を高めるにはどうしたらよいか、そして、それはかけた時間ではなく、出したアイデアやその実行によってもたらされるべきものであろう。




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