枠を超える

今日は、部下のひとりと、その人の今年の目標について話していた。

その部下が立てた目標は、どれも申し分ないものだった。昨年までの実績と比較しても、今年の目標はチャレンジしがいのあるもので、目標の高さという点でも良い内容であった。

更なるチャンスをつかんで欲しかったので、1つアドバイスを行ってみた。それは、「今の仕事の枠」を超え、部下がまだ携わったことのない「チームを運営する立場」から何でもよいので提案を試みる、ことをしてみたらどうか、というアドバイスだった。

ここで言う「枠を超える」とは、組織図で言うところの上の役割の立場で物事を考えるということである。そうなると、チーム内だけでは完結できないものも入ってくる。また、部下へのコーチングとか、長期的な教育プランとか、自分の後釜になれそうなリーダーを育成するといった、長期的な仕事や人に関わる仕事も増えていく。

こうした提案は、考えが建設的である限り、今行われている仕事や体制への批判にはならない。また、組織として、そうあってはならない。

「提案を出す」ことに対して、最初は躊躇する人もいるかもしれない。しかし、少しだけ気をつけて言葉を選び、上司の性格をある程度読んでおけば、大きな問題にはならないはずである。

実際、僕も何度か、怖いと評される上司の下で働いたことがあるが、言い方一つを工夫すれば話は聞いてもらえたし、何度かそれを行って信頼を得れば、逆に積極的に聞いてもらえるところまで行くことができた。

そうしたことを積み重ねることで、実際により広い視点での仕事も行えるようになっていく。広い視点や、先を見ながらの仕事というのは、誰かに教わってできるものではない。自分から考え、経験し、時に失敗もしながら学んで、身につけるものだとつくづく思う。




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