動的なコミュニケーションとは〜会議は時間ではなく中身

昨日の雨も桜を散らせるには早かったよう・・・。週末まで桜がもつといいですね・・・。

最近、自分へレポートする人たちとは月に1回、一部の人とは週に1回、1対1(one on one)の会議を持つようにしていた。このアイデアは海外のオフィスの人からもらったもので、昔は四半期に1回だったのだが、頻度を増やしたのだ。

しかし、ここのところ、このone on oneが上手く機能していないのでは?と思うようになってきた。

そこで、この定期的な会議を思い切って全て廃止し、今後は「動的」に、つまりは事前のスケジュールなしでやっていくことにした。ダイレクト・レポートの人は6人いるから、週当たりの時間を考えると6×20分=2時間、拘束された時間を解放することになる。

週2時間の再配分というのは大きい。月で8時間、つまり1営業日である。もっともこの時間を自分のために使おうと思っている訳ではなく、これをチーム全体(12人)のあらゆる人とのコミュニケーションに使っていくのだ。

冒頭に触れたone on oneが、何故機能していないと思ったのか?相手や状況にもよるが、幾つかの理由が考えられた。

1. 既に頻繁にコミュニケーションが取れていて、定期的なミーティングが必要ではない
2. そもそも定期的かつ会議室のミーティングが好きではない人もいる
3. ミーティングの準備が十分ではない場合がある
4. ミーティング自体が目的になってしまい話が前に進まないか場当たりになってしまう
5. 定期的なミーティングでしか業務報告ができず本来の報告や相談のタイミングが遅れがち

(3)や(4)はちょっと残念である。自分が自分の上司とone on oneの機会を得たときは、いろいろと準備をしたものである。報告がほとんどであるが、その中から会社の方向や部門の方向を確認していく。立ち話的な機会でもそれはできるが、少しかしこまった方が良い場合もある。

ところで、自分のいる会社では、年に2回は個人業績の振り返りやキャリア・パスの話し合いが行われる。相手と場合によっては、頻繁にフォローアップする必要も出てくる。こうしたミーティングは、one on oneとは別に行われており、目的もはっきりしているから密度が濃い。

それ以外に時間を持つのだが、会議を月に1回開くというのは頻度として多すぎたのかもしれない。海外の同僚の場合は、チームも相当大きかったので、やむを得ず月に1回の定期コンタクトを持ったのだろう。それに各人の仕事内容は、その部署の性質から察するに、それほどスピードを要求しないというのもあるかもしれない。

対照的に、僕のチームの場合、進捗報告やビジネスの議論は、月1回では少なすぎる。もっとも、この場合は1回あたりの時間が重要なのではなくって、適切なタイミングに適切なグループで、ぱっと会ってぱっと方向を確認し、あるいは決めることを決めるというのが重要だ。おそらく1回の決定や議論には10分もかからないだろう。


という訳で、自分の仕事の中で、時間を固定してしまっていて、効果が必ずしも良くないものは、一見聖域に見えるところでも、思い切って変えてしまったのだ。これが上手くいくかどうかは、やってみてからの判断になるだろう。

動的に」と言うと、聞こえが良いが、今後は、どんな人とどんな目的で話したかを記録して、コミュニケーションが一定の頻度で行われるよう注意しなければならない。自分から声をかけるということも、今まで以上に徹底しないといけないだろう。相手によっては、コミュニケーションに対して受身な人もいるから、要注意だ。もっとも、受身なのはその人の仕事の性質ゆえなのか、それとも問題意識が希薄ゆえなのかを見極めることになるだろう。

繰り返しになるが、大事なのは頻度でもなければ、かけた時間でもない。一定の時間において、如何に内容のある話ができるか、それがチーム、さらには会社のビジネスに影響を及ぼすものであるか、である。このことは、その人個人のキャリア開発や学ぶ姿勢というテーマの場合にもあてはまるだろう。

別の視点で言うと、ビジネスに貢献している人の周りには人が集まり議論が盛り上がる。ここに個々人の性格という要素があるので必ずしもこの角度だけで人や物事を見ることはしないが、一定部分は、自然に沸き起こる議論や自分が抱く疑問をきっかけに、自ずとコミュニケーションの内容と相手、結果として観察される時間というのが決まっていく。これが、「動的」と言ったコミュニケーションの意図でもある。




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