書評 〜 軽くなる生き方

何日か前に、待ち合わせ時間まで間があって、本屋さんでたまたま目についた。

軽くなる生き方

軽くなる生き方

『生きるというのは不安なことだから、それを打ち消すために、僕はいろいろなものを所有して自分をごまかしていた。』(本書より抜粋)という下りに「はっ」とさせられた。ここでいう「もの」とは物理的なものだけではなく、仕事や経験、やり方や人間関係までも指すようだ。

シンプルに生きるためのヒントが書かれている。著者の松浦さんは僕と同年代。僕とは全く別の様々な経験を経て、今は大変責任のある仕事をされている。いろいろな努力や苦労を経て、大切な「もの」を集めて来たのだと思う。それを一度棚卸しするということは、僕の今の気持ちを既に行動に移しているということで、興味を欠くことがない。

当然のことながら、「もの」に囲まれるだけでは、豊かになるとは思えない。しかし、ここ数年のところ、目指す目標に向かって無我夢中に暮らしてきたものだから、より多くの「もの」やより良い「もの」を集めることで、自分の辿ってきた道を評価したり、それを糧として、次の目標設定にしてきたように思う。

目標を達成することで得られる自信、それに付随する様々な「もの」は、達成感を裏打ちするものであり、大切なものだ。しかし、それを追い続ける人生に、僕は何か寂しさを感じることがあった。

一歩立ち止まって、より大切な「もの」、それを大切にし続けるための時間の使い方、を今は考えることができるようになっていると思う。しかし、まだそれを徹底するだけの準備や経験は僕にはない。

そんなときに「軽くなる」という言葉を思い出してみたい。「シンプルに・・・」ということでもあるのだが、そうするためには、あまりにも「重くなった」自分から要らないものをはっきりさせて、捨てていかないといけないとも言える。




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