社員のモチベーションは上げるな!

仕事は精神論ではなく、今できることを1つずつしっかりとやる、そんなメッセージがこめられている。

社員のモチベーションは上げるな!

社員のモチベーションは上げるな!

多くの論点が「こういう考え方は良くない!」というトーンで書かれている。中国人である宋文州さんの日本人に対する見方、日本の会社組織に対する見方は、歯に衣を着せないという点で実に迫力がある。

もうちょっと「別のこっちの考えはどうだろう」などの提案が併記されると、僕が感じた物足りなさはなくなるだろう。

「人間をマネジメントするのではなく仕事をマネジメントするのが上司」という表現が気に入った。適材適所をアレンジするのが上司の仕事であり、下手に人間をマネジメントしようと思わないこと、は問題上司の余計な仕事を削るのに役立つだろう。

しかし、この本で心配になったのは、おそらく日本の会社について書いているのだが、依然としてリスクを好まない文化、なのに不平不満ばかり並べる人、具体的な戦術を立てられず精神論で片付ける上司、前例や成功体験にとらわれた頭、型ばかりの成果主義、などである。

「僕がいた頃から11年が経とうとしているので、さすがに変わっているでしょう〜」と信じたい。変えることは相当の痛みを伴う。外資系の会社にいると、「なんか当たり前じゃん」と思える内容が多かったが、その差こそが痛みであり、だから宋さんは辛口で「これはダメ、あれはダメ」という強い口調で危機感を募らせたのかもしれない。




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