愛国心の経済学

愛国心」という言葉の強さ、重さはコメントしにくい。人によって、考え方は違うし、受けた教育や触れた機会も違う。それゆえに、語ることを許容する大きさも違うだろう。

僕は、思想的な教育や話に触れる機会がなかったから、おおよそマスコミが触れる範囲の話に影響されているか、あるいは無関心と言われても否定はしない。

何故この本を手にとったのか。僕が属する金融業界では、外国人の活躍がめざましい。そもそも、日本人が良いサービスを得られれば良いのではないか、という考えもあるけれど、できれば日本人のプレーヤーや経営者が目立つ世界にしたい。目指すは、金融脱ウインブルドン

ウインブルドンで自国の選手が活躍して欲しいというのは、愛国心のあらわれなのだろう。しかし、政治的なレベル、国家戦略ともなると、隣国やグローバルとの関係もあるし、複雑な事情もそこにはある。テニスの試合ならそこまでは言うまい。金融ビジネスの担い手についても、おそらく言わないだろう。

本の感想は控えます。手にとった人が、それぞれの価値観によって考えた方が良いと思います。


経済という観点で物事を見ると、税金と社会資本は国境を越えられないから、愛国の精神が自らの生活を良くする元になるし、愛国をうたうことに恥じらいやためらいを感じることはない。

また奇遇にも、今は政治が熱い視線を浴びている。「この国を・・・」で始まる政策や発言が並ぶが、日本が行き詰らないよう期待するのは、どの党を応援しようが共通するのではないか。これも愛国の精神だと思う。

話を本に戻すと、読後、僕は日本のことをもっと知りたいと思った。外国人と話すと話題になる日本と外国の違い、日本の文化遺産、歴史、慣習、などなど。意外に説明できない内容も多い。相手の価値観や日本についての知識も違うから、日本を見つめるのに恵まれた機会だ。

日本人を応援したいと思うのは、日本人と仕事をすると、どこか「ほっ」とする面とも関係するのではないか。それは日本語が話せるということ以外の何かである。

グローバルの組織や人と働くメリットはたくさんある。多様な価値観の中で生まれるアイデアや、他人の価値観を受け容れる心が養われることなどだ。

日本人と働くメリットは何か。日本のことを知ると見えるのかもしれない。この本も、まずは自国を知ろうと訴えている。

愛国心の経済学―無国籍化する日本への処方箋 (扶桑社新書)

愛国心の経済学―無国籍化する日本への処方箋 (扶桑社新書)




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