キャッチアップという会議の質 〜 質問力

仕事では、議題がはっきりとしている会話と、そうでない会話がある。そうでない会話は一見すると責任がないように思える。しかし、例えば「キャッチアップ」というような、もっともらしい理由を付ける会話が外資系ではよく行われる。そこでは、包括的に情報を得たり、問題を探ったり、相手の関心や興味を引き出すことに、お互いが力を注ぐ。

具体的な仕事に発展することもあれば、将来の仕事の種まきになることもある。相手が社外の人であれば、将来の話を有利に進める一歩になるだろう。社内の人同士でもキャッチアップは頻繁に行われるが、それを「探り」という意味で多用すると信頼を失うから、大人の分別というものが期待される。

このキャッチアップでは、漠然とでも聞きたいことがある場合と、聞きたいことは分からないのだが相手のことを知りたいという場合がある。後者の、議題がはっきりしない場合では、質問の内容がとても重要である。十分な時間を事前にあてて、質問リストを作っていく。後はインタビュー形式で、自分のペースで質問を繰り出していく。

準備した質問は、7〜8割くらい使えれば良いだろうか。なぜなら、話の展開によって質問を変えたり、相手のペースに合わせたり・・・、そうしているうちに時間切れになってしまうからだ。

しかし、そこで使った質問は、話の流れに沿った活きた質問である。たまに、準備した質問リストを見せながら、質問してくる人に出くわすが、質問に流れがなかったり、唐突な展開だったりすると、答える方は話題を切り替えるのが容易ではないから、インタビューもぎこちないものになる。

こうした質問力、質問スキルは、仕事をするのにとっても重要であるとつくづく思う。そんなスキルを体系的にまとめられたら良いだろうが、まとめた時点で意外性に富んだ質問が作れなくなるような気がする。質問は、そのときの問題意識や状況判断が色濃く反映されるべきである。それは、本の1ページを読むような作業ではなくって、全体を読みながら1つの感想を言うような感覚に似ている。それが無意識にできるようになると、仕事も一層楽しくなるだろう。




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