長期運用vs短期運用

とある本(この本は次の仕事と関係があるかもしれないので今は伏せておきます…)に、「長期運用と短期運用を比較する議論は時間がもったいない」という意見がありました。

著者のポイントは、投資の目的はリターンを上げることであって、議論に時間を割くよりもリターンを上げることにエネルギーを割こうというものでした。

僕自身が思うには、以前にも書いたように、本業があっての資産運用なので、その本業がおろそかになってキャッシュ・イン・フローが減ってしまっては元も子もないので、多くの人は短期投資に励む時間はないのではないか、ということです。しかし、友人にもいるのですが、中には本業に力を入れながら、経済や企業ニュースの収集に余念がなく、それらの洞察に鋭い人がたくさんいます。その人たちは、興味や思考回路が投資に向いている。仕事や性格にもよりますが、仕事と短期運用の両立が可能な人はたくさんいそうです。

なので、一度小さい元手で両方試してみて、自分の性格や知識、そして仕事と両立できるかどうか、などを決めたら良いのだと思います。しかし、これを見極めることは簡単なようで難しい。近い例を上げると、娯楽として楽まれているゲームかもしれません。(投資がゲームであると批判されますが、ここではそういう印象で例を挙げた訳では決してありません。)

僕は意思が弱いので、過去プレイステーションやゲームセンター、最近ではiPhoneのゲームなどにはまるとずーっとやってしまいます。そうしているうちに、寝る時間や、勉強の時間などが搾取されてしまいます。ほどほどにやって気分転換をし、本業に戻るということができない典型です。僕は資産運用を職業でやってきましたが、自分のこの性格では自己資金の短期運用にはきっと向かないでしょう。

短期運用のメリットは、一定の期間(例えば5年)の間に、いろいろな失敗や成功の経験ができると挙げられている。長期では、5年はまだ途中経過なので分からないでしょう、と。そして、期間が長くなるほど、世界は当初考えた姿から変わってしまうので長期運用は難しいし、失敗から学んでも再挑戦の機会が限られる、という意見もあります。

インデックス投資を軸とした運用では、そこまで考えなくても良いのではと思う反面、先進国経済が10年、20年先にガラリと変わっているかもしれません。そのための分散投資なのですが、長期投資でも自分が持つシナリオについて定期的に見直しをしないといけないというのは、実に重要なことです。

一方で、違う角度からモノを見ると、投資は投資先の応援とも捉えられるので、その場合は長期運用であるべきだし、企業とともに自分のお金も成長する(運用される)と考えられます。この場合は、自分のお金がどう使われるか、より直接的に感じられる必要があるので、鎌倉投信などの目的がはっきりした投資信託を選ぶか、自分で応援したい企業の株式を直接購入する形がより良いのでしょう。

いろいろ書きましたが、資産運用にはテクニック以前に大きな選択肢があって、これを自分の仕事や世界観、性格や好みという中でフィットさせていった方が、納得しやすい過程と結果になるということなのでしょう。




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