本当のプロは準備のプロだ!

先日の報道ステーションだったかな?巨人軍の鈴木尚広選手(背番号12)の特集があった。

最近、野球を見る機会が減ってしまったので、鈴木選手のことを知らなかったのだが、その特集によると、代走のエースだそうだ。

鈴木選手の走塁により、大一番で試合をものにしたこともあるらしい。盗塁に成功するということは、進塁打と同じかそれ以上の効果がある。なぜなら、相手の投手にプレッシャーをかけることで、打者にも有利に働く場合があるからだ。

代走の出番は、たいてい試合の終盤だろう。それなのに、鈴木選手は1回の攻撃から入念にストレッチをはじめ、ベンチには決して座らないという。「体を温めておかないと走れないから」だそうだ。これがプロではないだろうか。

自分の出番が来たら、最高のパフォーマンスを出す。そのための準備であれば、努力を惜しまない、面倒をいとわない、のである。今日からセ・リーグもクライマックス・シリーズだ。巨人と阪神なら、僕は阪神を応援するけど、鈴木選手だけは応援したい、そんな気になった。

翻って、自分の仕事ではどうだろうか。今、僕は特殊な環境にいる。組織に属していない分、自分の時間を自由に使える。その時間を次の仕事の準備にあてているのだが、出番が来たときにいきなり走れるだろうか?

自由な時間ほど、自分を律しなければならない。では、何のためにその時間を利用するかと言えば、準備のためだ。では何のために準備をするかと言えば、本番でパフォーマンスを上げるためだ。いちいち当たり前のことだが、それを平然と行うことは難しい。しかも、1日や2日ではなく、毎日続けるのである。

このことは、会社勤めをしている人にも言える。「部署が変わったらどう動くか」「マネージャーになったらどう動くか」「お客さんが契約してくれたらどういうサービスを提供するか」など、幾らでも準備の対象はある。時間がなければ、時間をねん出しなくてはならない。「仕事ができる」というのは、目先の仕事だけ出来ても駄目で、自分をマネジメントする能力があることも含まれるのだ。

出番が来る瞬間に、集中しているだろうか?プロとして、生活をかけているだろうか?準備のための戦略は何か?


人から言われた仕事を、こなすだけの仕事はやめよう。人から言われるまで、仕事を待つのはやめよう。人と同じ仕事をするのは、やめよう。自分の行動の癖を知って、もっとも効果的な準備をするのだ。心と体(オフィスワーカーの場合は頭ですね…)と。



【編集後記】準備というのは、誰も評価をしてくれないので、苦しいものです。鈴木選手の試合中の準備も、こうして特集を組んでくれたから知ることができたのです。きっと、オフの準備はもっと地味で大変なのだと思います。
誰のために、何のために仕事をするのか、という質問があります。お客さんや生活のため、という面は答えの上位にくると思いますが、仕事の質や量を高めるための時間もまた仕事なのです。ただし、その仕事は誰かが直接評価してくれるものではありません。しかし、それが仕事の本質であり、差別化のための要素だということですね。




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