感想〜遊ばない社員はいらない

Francfrancの社長、高島さんの本。正確に言うと、Francfrancはお店の名前で、会社はバルスです。

題名のとおり、高島さんは遊ぶことに情熱を注ぎ、そこから生活提案のFrancfrancの店造りにつながっていくというお話です。

遊びの度合いは敵わないけれど、高島さんの考え方は僕の考え方に似ているのです。そのためなのか分からないけれど、本の内容を紹介するような書評は今回は書けません。なんだか自分の考えと混同してしまって、うまく整理できないのです。本の内容は、とても読みやすいので、手にとってピッと来たら、読んでみてください。

本書は、遊びの話だけではなく、仕事について多くの考えが披露されています。仕事というのは、言われてやるのではなく、考えてやるということに尽きると思います。何のために、誰のために、それをチームで共有するには、仕事で楽しむには、・・・という視点が欠かせない訳です。

その感性を大事に拡げていくと、仕事とオフの違いというのが却って不自然に思えてきます。特にオフの時間に、気付いた「仕事の本質」や思いついた「アイデア」というのは、机に座って得るものよりもすばらしいという経験は、誰しもあるのではないでしょうか。

逆に言うと、オフを充実させないとそういう事は起きません。オフの時間に仕事をしたり、オンである仕事の事をひきずっていたら、良いひらめきと出会うことはできません。これは僕の体験ですが、オフはオフで楽しみながらも、ふっとオンの事が頭をよぎり、良いアイデアに結びつくことがあるのです。オフはオフと最初から区切りをつけてしまっては、そういう場面に遭遇することがなくなってしまいます。

仕事のためにオフを充実させるというのは変な表現でしたね。会社や肩書きをなくしたときに、どれくらい笑って話せる仲間や家族がいるか、というのを1つの指標として、オフの使い方を見直したり、自分の興味と向き合ってみることは、良いと思います。

本を読むと、「高島さんの本業はFrancfrancのような楽しさを提供する小売り業だから、僕には(私には)関係ないよ」と思う人もいるかもしれないのですが、そうではないということが分かって頂けるでしょうか。

僕自身も、似たような思考を持ちつつも、最近仕事の事に神経を注ぎすぎていることに気付きました。

さらに、高島さんの歩みを知る過程で、彼の上司とのやり取りが書いてあるのですが、自分の出発点を思い出す良い機会に恵まれました。僕の場合ですが、社会人を20年ほどやってくると、ある程度の事はできるようになっていて、ふと原点に返ることができなくなっているのですね。

忘れた頃に、また読み直してみたいと思える本でした。

遊ばない社員はいらない

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