適度な利潤とは?

会社を興す場合の利潤ってどのくらいが適当なんだろう?例えば人が資本・資産であるようなビジネスの場合。

モノ作りの会社なら、固定費と変動費があって、そこに少し上乗せする形で売値を仮決めして、競合他社との比較から値段を決めて、生産できる範囲で売る。モノの良さ(売れる量)と作れる量(生産規模)で利潤が決まる。

人が資本のサービス業でもコストはかかる。その場合、コストの大部分は給料になるが、コストから目的とする利潤を単純にはじくことはできない。サービスの良さに対して、お客が支払うかどうか、で決まる。競合他社から相場を測ることもできる。ここで、相場が不当に高いと思ったらどうだろう?

株主がいたら、配当を出す訳だから、株主の期待値で利潤が決まる。そうか、株主との関係次第なんだなあ。もし、良いサービスを相場よりも安く、お客にとってリーズナブルな値段で提供したい会社がいるとしよう。株主が「もっと配当してください」と言ったら、安く提供したいという目的は達成できなくなる。

金融の仕組みは資本の論理と切れないから、株主の性格や意思によっては、会社の思うとおりにはならないということだ。「社会を変える」ということは、案外こんな単純なところでつまづいたりするのだろう。

社会的な資本やサービスを応援しようとするファンドはいろいろ出来ているけれど、あまり儲けようとしたら本末転倒なんだろう。そして、会社を興す場合においても、儲けようとする株主と組むと、そのビジネスも儲けを優先せざるを得なくなってしまう。

逆に自分が投資をする場合、あるいは友人のビジネスを応援するという意味で株主になる場合も、「配当はそんなに出さなくても良いから、良いサービスを世に出してよ〜」としっかり意思表示をしないといけない。本来は…。しかし、これってなかなか難しい議論だと思う。資金を調達する会社側が、しっかりと設立理念で謳っておかないと、誤解の元になるんだなあ。

儲けると税金が増えるから社会全体では良いという議論もあるが、あまりにマクロ経済的な議論だ。税金がきちっと配分されるような状況にはないから、それは気休めだなあ。




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