仮定に頼るのは良くないなあ 〜 書評、老後に本当はいくら必要か

このタイトル、ついつい手に取りたくなる本ですよね〜。金融村出身の著者の経歴はすごいし、ハイリターンの金融商品は疑おう、と主張するあたり、資産運用をもっと大きな視点で考えるのに良い本だと思って読みました、が・・・。「本当はいくら必要か」と言って…

熱い気持ちをチャージ 〜 書評、国際貢献のウソ

国際貢献をするNGOについて知りたい、と思って偶然手にとった新書。著者の伊勢崎さんは、プラン・インターナショナルという国際NGOに身を置き、シオラレオネなどの紛争国に行って、現地の人を登用しながら仕事を進めていく。NGOや国際機関に限らず、外資系で…

ほどよい入門書、書評〜貧困削減と世界銀行

マイクロ・ファイナンスに興味があるのですが、もっと大きなレベルでは世界銀行(世銀)があるなあ、と思ってこの本(2004年発行)に出会いました。貧困国の経済をよくするにはどうしたらよいか?先進国が行う行動は、開発援助(融資)なのですが、その際に…

後出しじゃんけん?書評〜エコノミストを格付けする

以前に紹介した「日本経済新聞は信用できるか」の著者の東谷暁さんの別の本です。こちらの方が先に出ていて、結構反感を勝っているようです。東谷さんはジャーナリストなので、後出しじゃんけんではないですよね。(エコノミストと同じ土俵でじゃんけんする…

書評というより感想です〜「悪文」を読んで

悪文 第3版作者: 岩淵 悦太郎出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 1979/11/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 25回この商品を含むブログ (12件) を見る1960年に初版、僕が読んだ第3版は1979年に出ている多くの人に読まれている本。「悪…

書評〜民の見えざる手〜デフレ不況時代の新国富論

民の見えざる手 デフレ不況時代の新・国富論作者: 大前研一出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/07/14メディア: ハードカバー購入: 5人 クリック: 59回この商品を含むブログ (29件) を見る大前研一さんの本である。複数の雑誌に掲載された記事を集めたとあ…

書評〜日本の成長戦略

日本の成長戦略作者: 堀紘一出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2010/07/27メディア: 新書購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見るコンサルティング・ファームをフィールドとする堀さんゆえに、提言が具体的で面白かった。著者の商売では…

書評〜ゼロ金利との闘い

2005年刊。本棚に飾ったままになっていました。なぜ今読んだのかと言うと、少し前に「インフレ・ターゲット(例えば年2%の上昇)を掲げれば、実際にインフレが起きてデフレが解消する」というリフレ論に出くわしたときに、「おやっ?」と思ったため、いろい…

書評〜ソロスの講義録

ソロスの講義録 資本主義の呪縛を超えて作者: ジョージ・ソロス,徳川家広出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/06/16メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 31回この商品を含むブログ (12件) を見るヘッジファンドで有名なジョージ・ソロスの本は2冊目。最初…

書評〜米中逆転

米中逆転 なぜ世界は多極化するのか? (角川oneテーマ21)作者: 田中 宇出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/06/10メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る「米中の逆転」というタイトルですが、著者…

書評〜なぜ投資のプロはサルに負けるのか?

なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方作者: 藤沢数希出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2006/12/08メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 275回この商品を含むブログ (98件) を見る一般の方向…

書評〜デフレの正体

デフレの正体は高齢化社会に伴う構造変化から来るものだ、という本。手に取りやすい新書で、専門的な用語を極力使わずに、巷であふれる意見に対して疑問を投げながら、図表を使って丁寧に説明してくれるので、分かりやすい。高齢化社会という部分をもう少し…

渡邉美樹の夢に日付を!

テレビでお馴染みの渡邉美樹さんの本。本の内容は、タイトルから想像できるとおりだけれど、こういう本は読んでいく過程の中で、自分に問いながら自分の感情や気付きが何かを探ることが大事で、そういう意味ではエネルギッシュな渡邉さんの問いかけは、自分…

石油国家ロシア

BRICsの一つとして注目されているロシアだが、ソ連崩壊後のロシアについて、よほど丹念にニュースを追っていかないとその実像に迫ることは難しいのではないか。新興国で資源国というイメージを、より具体的に捉えていくという点で、この本はとても興味深かっ…

サラリーマンのための「会社の外」で稼ぐ術

柴田さんは日立の社員だそうです。その方が、副業でも稼げるようになった経験を明かしてくれます。サラリーマンのための「会社の外」で稼ぐ術 複数収入獲得マニュアル (朝日新書)作者: 柴田英寿出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2010/01/13メディア: 新…

エネルギーの未来

2009年9月に発売された「エネルギーの未来」を読みました。エネルギーの未来" title="エネルギーの未来">エネルギーの未来作者: エリックシュピーゲル,ニールマッカーサー,ブーズアンドカンパニー出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2009/09/19メデ…

欧州迷走

欧州迷走作者: 白井さゆり出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2009/12/02メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 34回この商品を含むブログ (7件) を見る出版は2009年12月。ギリシャ問題が明るみに出て、市場の注目を浴びてきたのが、同じ年の10月か…

中国黒洞(ブラックホール)が世界をのみ込む

中国黒洞(ブラックホール)が世界をのみ込む―どうする日本の戦略作者: 沈才彬出版社/メーカー: 時事通信出版局発売日: 2010/04/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る中国に関連する本は、まだ多くは読めていないけれど、本書はなかなか参考に…

伝える力

伝える力 (PHPビジネス新書)作者: 池上彰出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2007/04/19メディア: 新書購入: 45人 クリック: 1,284回この商品を含むブログ (243件) を見る元NHKアナウンサー、池上彰さんの「伝える力」を読んだ。池上さんは、NHK「週間こども…

超大国の破綻

超大国の破綻―アメリカ一極構造の危機と世界デフレ作者: スティーブンローチ,Stephen S. Roach,中岡望出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2003/09メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見るスティーブン・ローチは和書や翻訳本は…

日本経済新聞は信用できるか

増補・日本経済新聞は信用できるか (ちくま文庫)作者: 東谷暁出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/04/07メディア: 文庫 クリック: 31回この商品を含むブログ (2件) を見る文庫本で買いやすくなりました。しかしこの著者(東谷暁さん)の名前でネット検索…

ドル漂流

ドル漂流作者: 榊原英資出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2010/05/20メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (3件) を見る「ミスター円」と言われる榊原さんの本。帯にも書いてあった。榊原さんの本は始めて読んだなあ。ところで、最近「…

人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか

人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか作者: 水野和夫出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2007/03/01メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 120回この商品を含むブログ (50件) を見るまとまった時間が取れず、あるいは割いた時間で読み通せな…

経済学思考の技術

タイトルが面白かったので手にとった。経済学思考以前の論理的思考に関する記述がなかなか面白い。「たとえ話」は自分に都合の良い方向にもっていけるし、ことわざや故事も世の中には大抵相反するものが存在するので当てにならない、という部分は説得力があ…

世界経済が回復するなか、なぜ日本だけが取り残されるのか

著者は野口悠紀雄さん。ポイントを幾つかまとめてみると…。 外需依存の日本経済は、新興国よりも米国消費者への依存が高く、回復までには相当の時間がかかる → 住宅ローンを担保にバブルを形成した米国の消費は完全には戻らない。つまり輸出主導の景気回復は…

中国、大国の虚実

中国 大国の虚実 (日経ビジネス人文庫)作者: 日本経済新聞社,日経=,日本経済新聞=出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2006/09/01メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (3件) を見る中国についての調査をはじめたばかりなので、この本の位…

日本経済の真実

著者の一人、辛坊さんは日テレのキャスターなので、ご存知の人も多いだろう。僕はテレビをあまり見ないので、辛坊さんがどういう意見を普段言っているのかは知らない。この本は、今の日本経済の問題を実に分かりやすく解説している。経済の話や用語に詳しく…

グローバルインバランス

グローバル・インバランスとは国際的な経常収支不均衡のこと。周知のとおり、米国は経常収支が赤字で、日本や中国は黒字。ところが、輸出国である日本や中国は、通貨を安く放置しておいた方が自国の輸出に都合がよいから、輸出で稼いだドルを自国通貨に換え…

経済予測脳で人生が変わる

経済学に関する知識を持つことは不可欠だけれども、それだけでは予測はできないと主張している本。著者の中原さんは歴史学、哲学、心理学を取り入れ、物事の本質を理解し、その変化を嗅ぎ取ることから予測に活かしている。では、どうしたら物事の本質を理解…

仕事で本当に大切にしたいこと

仕事で本当に大切にしたいこと―自分を大きく伸ばすために (日経ビジネス人文庫 (お8-1))作者: 大竹美喜出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2008/02/01メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (6件) を見る著者はアフラックを日本で立ち…