2010-01-01から1年間の記事一覧

書評〜希望を捨てる勇気、停滞と成長の経済学

著者の池田信夫さんは、ふだんから頻繁に、経済学者の言動について彼のブログで解説・指摘をしている。経済学は時代と共に発展したり変わる。そして、複数の異なる見解が並存するから、経済学者の間では論争が起こるのだが、そうした見解の違いなどを分かり…

代々木上原にもオープン〜西村はちみつ

最近、代々木上原は新しいお店が増えています。今日は、とおりすがりに見つけた「西村はちみつ」さんに寄ってみました。はちみつは詳しくないので、西村はちみつさんの楽天ショップのサイトを見ていただきたいのですが、お店では味見をさせて頂けるので、好…

文章を校正しています・・・日記の見直し

少し前に「悪文」について書いた本を読んで、自分の文章がどれくらい悪文なのかを見直してみました。衝撃の結果でした。自分の文章は、まさに悪文です。これは、僕よりも、読んでくださっているみなさんの方が既に知っているに違いありません。という訳で、…

書評 〜 新興国発超優良企業

偶然だが、最近のブログ記事、タイにおけるグローバル・サプライ・チェーン、中東における新エネルギー開発の主権、台湾の投資力と日本企業の再生、と関係する話である。本書は2008年10月に翻訳された。原著が出てから2年近く経っているので、現状はもっと進…

やはり資本か・・・新興国投資と日本の再生

昨日はテレ朝の報道ステーションで、ジャーナリスト財部誠一さんの台湾レポートというコーナーがあった。これまで見てきたNスペでも、資本が成長分野に届くことの意味と威力を感じていたのだが、この日の台湾報告も全く同じ感想をもった。例えば、台湾で、…

NHKスペシャルを見て 〜 中東の国家戦略から学ぶ

昨日も前回に続いてやっていました。今回のテーマは、灼熱アジア第2回、中東砂漠の富の争奪戦です。再放送は31日(火)の午前0:15から。前回と同様に、技術力に優れた日本企業が、その先行者メリットと競争力を、どうやって国際社会で活かしていくかという視…

書評 〜 フリーフォール、グローバル経済はどこまで落ちるのか

フリーフォールとは、2007年以降の金融危機を発端にした経済の急降下を示す様子である。金融危機は、アメリカの住宅バブルの崩壊に端を発したもので、そこに至るまで、市場や金融機関に自由裁量を許した世の中の流れと、政府やFRBなどの規制当局に対して、批…

応援します! 〜 人形町そよいちの洋食

僕にとって、人形町は親子丼よりも洋食屋さんの街。以前から良く行くのはキラク。今日、ご近所の人から、元キラクの職人さんたちが近くでお店をやっていると聞いて、さっそく食べにいった。お店の名前は「そよいち」。何とも訳ありの話だそうで、家に帰って…

調べてみようかな? 〜 ベンチャーキャピタルに復活の動き

2010年8月31日号のエコノミスト誌に、「ベンチャービジネスに資金供給再開の動き」という記事があって、興味深かった。それによると、「再開の動き」の象徴として、エッジキャピタル社(UTEC)が2010年6月に約76億円のファンドを集めたことが紹介されている…

自炊のお供 〜 裁断機を使ってみた!

先日届いた裁断機を使って、自炊をやってみました。自炊とは、「紙媒体の書籍や書類を電子化する」ことです。最近のスキャナーは高速かつ動作が正確で、例えば僕が使っている富士通さんのScanSnap S1500は、読み込みが速いし場所も取らないので、作業がはか…

書評、緑の帝国 〜 世界銀行とグリーン・ネオリベラリズム

少し前に「貧困削減と世界銀行」という書評の中で、「世界銀行と米国の関係について気になる」と書きましたが、それに対する1つの見解が、この「緑の帝国」から得ることができます。ただし、本書は米国について焦点を充てたというより、世界銀行の組織に注目…

NHKスペシャルを見て 〜 アジアの中の日本を見る

昨晩やっていた特集灼熱アジア第1回、タイ、“脱日入亜”日本企業の試練は、なかなか面白かった。次回再放送は8月24日深夜0:15からだそうです。途中から見たので、全体の印象は語れないのだが、それでも タイの企業が日本企業を買収 そのタイの企業が不採算の…

経済財政報告(経済白書)を使った勉強法

内閣府が年に1回、経済財政報告(昔の経済白書)を出しています。書店で、綺麗な表紙付きの印刷物が買えますが、内閣府のネットで全文を読むこともできます。ファイルが分かれていて、面倒くさいけど・・・。ここ10年ほど、資産運用の仕事をしてきましたが、経…

仮定に頼るのは良くないなあ 〜 書評、老後に本当はいくら必要か

このタイトル、ついつい手に取りたくなる本ですよね〜。金融村出身の著者の経歴はすごいし、ハイリターンの金融商品は疑おう、と主張するあたり、資産運用をもっと大きな視点で考えるのに良い本だと思って読みました、が・・・。「本当はいくら必要か」と言って…

熱い気持ちをチャージ 〜 書評、国際貢献のウソ

国際貢献をするNGOについて知りたい、と思って偶然手にとった新書。著者の伊勢崎さんは、プラン・インターナショナルという国際NGOに身を置き、シオラレオネなどの紛争国に行って、現地の人を登用しながら仕事を進めていく。NGOや国際機関に限らず、外資系で…

ほどよい入門書、書評〜貧困削減と世界銀行

マイクロ・ファイナンスに興味があるのですが、もっと大きなレベルでは世界銀行(世銀)があるなあ、と思ってこの本(2004年発行)に出会いました。貧困国の経済をよくするにはどうしたらよいか?先進国が行う行動は、開発援助(融資)なのですが、その際に…

後出しじゃんけん?書評〜エコノミストを格付けする

以前に紹介した「日本経済新聞は信用できるか」の著者の東谷暁さんの別の本です。こちらの方が先に出ていて、結構反感を勝っているようです。東谷さんはジャーナリストなので、後出しじゃんけんではないですよね。(エコノミストと同じ土俵でじゃんけんする…

大きな政府と小さな政府に見るわれわれの選択

「大きな政府」と「小さな政府」を論じる場合、(1)国民あたりの税金を対GDPで見る(租税負担率)のと、(2)政府支出を対GDPで見る、考え方があるそうです。(1)も(2)も「1年間では」というフローの数字です。一方で過去の積み上げである、ストッ…

書評というより感想です〜「悪文」を読んで

悪文 第3版作者: 岩淵 悦太郎出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 1979/11/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 25回この商品を含むブログ (12件) を見る1960年に初版、僕が読んだ第3版は1979年に出ている多くの人に読まれている本。「悪…

これならできる〜インターンシップの企画

六本木のアカデミーヒルズに行くと、最近インターンシップ研修にでくわす。内容は残念ながら、外からはうかがえないが、2日間のセミナーはおそらく参加型だろう。隣の会場から拍手が頻繁に聞こえることから、グループ毎にプレゼンテーションが行われているよ…

Unconstrained Equity 〜 ベンチマークにとらわれない株式投資

先日の記事「デフレ下の資産運用術?」で、デフレが進む日本などの先進国では、TOPIXなどの市場インデックスをベンチマークとして採用し続けることは、果たして効果的なのだろうか、という話をした。既に多くの企業が消費を刺激できずに苦しんでいる。景気刺…

書評〜民の見えざる手〜デフレ不況時代の新国富論

民の見えざる手 デフレ不況時代の新・国富論作者: 大前研一出版社/メーカー: 小学館発売日: 2010/07/14メディア: ハードカバー購入: 5人 クリック: 59回この商品を含むブログ (29件) を見る大前研一さんの本である。複数の雑誌に掲載された記事を集めたとあ…

デフレ経済下の資産運用術?

デフレ経済は構造的な変化をあらわしている。労働人口の減少(少子&高齢化)、長い消費社会の結果行き着いた充足感、将来の不安に備えた貯蓄志向、など。このブログでも、そうした見方を主として書評を通じてなぞってきた。現在か近い将来が歴史的な転換点…

書評〜日本の成長戦略

日本の成長戦略作者: 堀紘一出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2010/07/27メディア: 新書購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見るコンサルティング・ファームをフィールドとする堀さんゆえに、提言が具体的で面白かった。著者の商売では…

書評〜ゼロ金利との闘い

2005年刊。本棚に飾ったままになっていました。なぜ今読んだのかと言うと、少し前に「インフレ・ターゲット(例えば年2%の上昇)を掲げれば、実際にインフレが起きてデフレが解消する」というリフレ論に出くわしたときに、「おやっ?」と思ったため、いろい…

書評〜ソロスの講義録

ソロスの講義録 資本主義の呪縛を超えて作者: ジョージ・ソロス,徳川家広出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/06/16メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 31回この商品を含むブログ (12件) を見るヘッジファンドで有名なジョージ・ソロスの本は2冊目。最初…

書評〜米中逆転

米中逆転 なぜ世界は多極化するのか? (角川oneテーマ21)作者: 田中 宇出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/06/10メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る「米中の逆転」というタイトルですが、著者…

CD再生術?

iPodもいいけれど、たくさんのCDのジャケットを見て、「おっ!懐かしい〜」と思ってプレーヤーにCDを置くあのワクワク感って堪らないですよね。しかし、出てきた音がぺらっぺらだったりすると、本当にがっかりです。最近、そんな思いを何度かして、「CDの音…

書評〜なぜ投資のプロはサルに負けるのか?

なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方作者: 藤沢数希出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2006/12/08メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 275回この商品を含むブログ (98件) を見る一般の方向…

書評〜デフレの正体

デフレの正体は高齢化社会に伴う構造変化から来るものだ、という本。手に取りやすい新書で、専門的な用語を極力使わずに、巷であふれる意見に対して疑問を投げながら、図表を使って丁寧に説明してくれるので、分かりやすい。高齢化社会という部分をもう少し…